ストーンヘンジを作ったのはだれか? その目
的と同様に、あるいはそれ以上に大きな謎の一つです。
「巨人、巨石人、ストーンヘンジ人・・・」
科学の発達していない先史時代に建造されたのだから、あれだけ巨大な石を扱うことができたのは巨人の仕事に違いないという発想からか、そのように呼ばれることが多いようです。
巨人たちによる巨石文明の存在、それは神々のことかもしれませんし、確かにロマンチックな考えではあります。
しかし歴史をひもといてみても、ストーンヘンジが建設されていた先史時代の記録はほとんど残されていません。
考古学的には紀元前約3000年頃、新石器時代のブリテン諸島で暮らしていたのはウィンドミル・ヒル人。彼らは半遊牧の生活をしていました。
紀元前2000年頃、青銅器時代にかけては誇り高き戦士であるビーカー人、後期にはウェセックス人がソールズベリー平原を駆けていました。武器や装飾品とともに眠るウェセックス人の墳墓が見つかっています。
ケルト系でイギリスの主要な先住民族のブリトン人が、ヨーロッパ大陸からグレートブリテン島(現在のイギリスの国土の大半を占めます)に移住してきたのは、ローマ帝国の属国だったブリタニアの時代、紀元前300年頃です。
ストーンヘンジの建設が終わってから実に1000年以上も経っています。
ストーンヘンジとほぼ同時代に140以上ものストーンサークルが作られているという理由からスコットランドの先住民族ピクト人が巨石文明を築いたのではないかと考える人もいるようですが、彼らもまたその多くはヴェールに包まれたままです。
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